一人暮らし体験はあえなく頓挫・任意入院して生活の立て直し

レオパレスに入居契約をしてから、入居日までの一ヶ月の間、娘は脳が活性化されたようで、夢がどんどん膨らみ、睡眠がだんだん減ってきた。
一つのことに夢中になると、他のことに眼が向かず集中し、自分が納得できるまでやろうとする、自閉症スペクトラム的特性がいかんなく発揮された。
しかし、これまでの経験があまりにも少ないので、なかなか納得できる結果が得られない。

最初はゲームに取り組んだ。
一人暮らしのゆとり時間をどういう形で過ごすか、ということで選んだようだ。
娘は全知全能をつぎ込む様相でやっていたが、友人から最初に教えて貰ったゲームはあえなくダウン、次に比較的優しいと紹介されたゲームも最初の関門すら通過できずにダウンしてしまった。
それで、自分がゲームに向いていないとわかったようだ。

次は、コミックを読み始めた。
全巻が80巻以上もあるものを選び、スイスイと読め、興味をそそられたので、12巻までまとめ買いした。
しかし、3,4巻程度読んだら、興味は薄れたようである。

次には、フミヤ、ベニーという歌手にはまった。
CD、DVDを買い、それに飽き足らず、コンサートに行くために、ファンクラブに入ろうとした。

さらには、男性も含めた友人との交流機会が増えた。

この頃から、友人、知人、親戚への電話、メール頻度が非常に高くなった。

父は当事者の男性との一対一の交流は、女性との友達関係を壊したり、施設へ行きにくくなったりする可能性があるので、控えるように諭していた。
しかし、男性から優しく、親切されると気持ちが舞い上がり、なかなか抑えられないようになった。
特に、桜が咲き始める春の季節で気持ちが高揚したらしい。

舞い上がった気持ちを娘は自分のなかに治めておくことができず、本人の他、周りの友人みんなに思いを伝えてしまう。
また、別の男性に優しくされると、今度はその男性に熱を上げてしまう。
娘が自分の思いをじっと胸に秘めて行動しておれば、波風は立たたず、お互いに好きな感情が醸成されて行くならば、将来生活を共にすることもあるかも知れない。

父としては、相手が誰であれ、娘の選択に反対をする理由はないし、援助しても良いと思っている。
しかし、娘が一方的な感情で、行動して行くならば、父は抑制する方向で動かなければならない。
お互いの病気が悪化することを避けねばならないからである。

しかし、この頃になると、父の制御がなかなか効かず、自分でどんどん予定を決めて行ってしまうようになった。

最後に関心が向いたのは、ヘルパー資格である。
現在来て頂いているホームヘルパーさんの一人に憧れ、自分もあのような人になって、将来介護の仕事につき、人助けしたいという夢にとりつかれた。

夜を徹して、ヘルパー資格がとれるいろいろな教室を探し、資料請求を行った。

同時に、今までやろうともしなかった、料理の手伝い、猫ちゃんのトイレ掃除、部屋の掃除、自分の部屋の片付けなどをどんどんした。

そうこうしているうちに、家ではだんだん、夜が眠れなくなった。

それで、レオパレスで1泊したが、ほんの3時間くらいしか眠れなかった。
眠れぬまま、夜、24時間ファミレスに行ったりするうちに、レオパレスの自分の部屋の真上の住民の男性と出くわしてしまった。
それで、次からのレオパレスでの宿泊を敬遠するようになってしまった。

最後には、過去何回か宿泊したことのあるビズネスホテルを夜中に予約して、タクシーでホテルに出かけて少し眠るようなことを、2回した。

そうして、自分が貯めていたお金を使い果たしてしまった。

眠れなくなり、友人、知人へのメール、電話がますます頻繁になり、特に、朝の4時頃、一番親しい友人宅に電話したりして、そのお母さんから、「体調が悪くなったので勘弁して欲しい」と父に伝えられた。

それで、父は娘と話し合い、先ずは携帯電話を父が預かり、しばらく使わないこと、それから固定電話、通信も夜中には遮断することを決めた。

自分が多くの人に迷惑をかけた実感はあり、その場では納得したが、実際に、夜中に電話、通信が遮断されると、自分がどうしたら良いかわからなくなってしまったようだ。

父に対して、暴力的言動をするようになり、遂に、父に対して、「入院する」ことを自分から言い出した。

団体生活を好まない娘にとって、入院生活はかなり苦痛のはずであるが、自ら、言い出したのは、状況がそれほど切羽詰まっていたに違いない。

自分で緊急に主治医の診察を予約して受け、入院して休みたい希望を強く訴えた。
医師は、「入院した場合、あなたの生活力をつけるよう指導しますが、やれますか?」 と娘に確認をとってくれた。
娘は了解したので、入院を許可された。

娘に一人暮らし体験をさせようと思ったのは、娘が強く希望したこと、娘の将来にとって不可欠のことであり、父が元気なうちにやっておく方が良いのではないかという父の判断であった。

主治医はちょっと早いのではと危惧していたが、図らずも主治医の予測通りの結果となってしまった。

幸いに、主治医は娘の発達障害(自閉症スペクトラム)特性と依存的特性をよく理解しており、父と離れた病院のなかで、生活訓練することに、新たな意義を見出したようである。

そのことに父は大賛成であり、理解ある主治医に恵まれたことに感謝である。

娘は今回の体験で、一人になったとき、自分がいかに脆弱であり、社会のなかで生きていくことがいかに困難であるか、身をもってわかったと思う。

退院後は、家から作業所や病院に一人で通うようにすること、家に居るときは、家事も分担できるように、この入院中の生活訓練のなかで、自分を鍛えて欲しいと、父は思っている。

入院して6日経過するが、いろいろなものを絶ったお陰で、入院の翌日から睡眠がよくできて、作業療法に参加するなど落ち着いて来ている。

抗精神薬の処方はリスパダールを入院前から1mg増やし、8mgとして、寝る前に定型薬ウィンタミン(コントミン)50mgを追加しただけである。この定型薬は落ち着けば、容易に抜くことが可能である。

父は娘に、「必要な物は準備してあげるが、単なる見舞いには、行かないから」と伝えている。
娘は、そのことに納得して、頑張る意欲を示しているので、とても良い方向に進んでいる。

入院期間は3ヶ月以内の予定であるが、できれば、目一杯頑張って、父の他、いろいろな人、物への過度の依存心を克服し、社会で無難にやって行ける自己コントロール法を習得して欲しいものだ。

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この記事へのコメント

マメコロ
2014年04月22日 22:56
お嬢さんも、パパさんも、お疲れさまでした。
しかしお嬢さんにとって、
これも一つの経験となられたのではと思います。
一旦、任意入院で生活の立て直しをされたら
またいつか、再挑戦もあるのでしょうか。

入院生活と自宅生活の、
中間に当たる気がするグループホームに
私は興味があります。
数が少ないのが、とても残念です。
グループホームの施設が、もっと増えたらと思っています。

私共の近況は、先週の17日に
主人が、一旦、退院いたしました。
但し、毎日、高栄養の点滴が必要なので
訪問看護士さんに来てもらっています。

今は、朝と夕方の2回ですが、
私が朝、点滴の外し方を覚えたら、
5月頃から、夕方だけ点滴取り付けに
訪問看護士さんに来ていただく予定です。
毎日、バタバタと忙しくなりましたが
頑張ろうと思っています。

チャッピイパパさんも、
どうぞ、お身体に気をつけられて
これからも色々、情報発信して
教えて頂きますようお願いいたします。
チャッピイパパ
2014年04月25日 11:03
マメコロさん、コメント有り難うございました。

いろいろすったもんだしましたが、本人にとって、自分と向き合う良い機会になったのではないかと思っています。

マメコロさん、お互い、今できる最善のことを目指して、頑張って行きましょう。

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